産業用コード読み取りの落とし穴は、ほぼ仕様表の上にはありません
仕様表に1280×1024、≥5mil、ネットワークポートと書かれ、同じに見えるものでも、ラインに設置して初めて差が現れます。ワークが動くと読めない、トリガがなく番号が合わない、金属の反射で真っ白になる、作業場の水蒸気で半年後にまとめて修理になる。以下八項目は当社が設置現場で繰り返し目にしてきたもので、いずれも事前に発見する方法を記載しています。
いずれも回避の対応を示しています
事前に一言確認する方が、設置後に変更するよりはるかに安く済みます。
1. 移動によるぶれ
ローリングシャッターの装置で移動中のコードを読むと画像が斜めに流れ、デコード失敗率がライン速度とともに上がります。
回避:グローバルシャッター機種を選び、実際のライン速度で試す。露光時間と補光は併せて調整します。
2. トリガがなく連続撮影に頼る
読み取ったコードとワークの番号が合わず、再撮影と空撮影が多く、タクトが速くなると読み漏れます。
回避:光電センサまたはPLCからI/Oトリガを与え、品単位で収集し、結果をOK/NGとして直接出力します。
3. 金属の反射を未処理
エッチングコードとレーザーコードはコントラストが低く、表面に方向性のある反射もあるため、汎用光源を当てると真っ白になります。
回避:低角度照明+偏光板、必要に応じて遮光フードを追加。まず光学を解決し、その後にデコードパラメータを調整します。
4. 保護等級の選定が低い
作業場の水蒸気、切削液、粉塵が装置内へ入り、半年以内にまとめて修理になります。
回避:現場環境に応じてIP54またはIP67を選ぶ。水洗いがある場合は必ずIP67とし、レンズ防水カバーを装着します。
5. プロトコルが通らない
装置はシリアルに対応しているがPLCにはネットワークポートしかなく、現場でゲートウェイを追加したため、タイミングと安定性がともに悪化しました。
回避:選定時にPLCの型番をメーカーへ伝え、Profinet / EthernetIP / Modbusの対応状況を確認します。
6. ブラケットの角度と剛性が不足
正対すれば読めるが少し傾くと失敗する。コンベヤの振動で視野が揺れる。
回避:調整可能なブラケットで固定を強化し、ワークの高さに合わせて角度を決める。ラインの振動が大きい場合は防振パッドを追加します。
7. ロット間の一致性が低い
サンプルは選別されており、量産では一台ずつのテストがないため、読み取り率がロットごとにばらつきます。
回避:抜き取り比率とサンプル保管の制度を確認し、契約に不具合判定と交換条件を明記します。
8. アフターサービスの判定基準が曖昧
「読めないのは故障か」に基準がなく、修理のやり取りが長引き、生産ラインが止まったまま待つことになります。
回避:契約に試験方法(コードサンプル、距離、ライン速度、照度)と判定しきい値を定義し、予備機について取り決めます。
試装後にこの五項目で測定すれば、いずれも定量化できます
「読めそう」という感覚に頼らず、再現可能な方法で判定します。
| テスト項目 | 測定方法 | 判断基準 |
|---|---|---|
| 静止時の読み取り率 | 実際のコードサンプルで連続100回読み、失敗回数を記録 | 失敗回数がメーカーの提示値と一致し、失敗が再現する |
| 移動中の読み取り率 | 実際のライン速度でワークを流し、連続200件 | 読み漏れと誤読が許容範囲に収まり、速度上昇に対して明らかに悪化しない |
| トリガのタイミング | 光電トリガと読み取り出力をオシロスコープまたはログで照合 | 各品にトリガがあり、空撮影がなく、結果がワークと一対一で対応する |
| 照明の干渉 | 天井灯を点ける、カーテンを引く、懐中電灯を斜めから当てる、それぞれで一巡測定 | 露光が自動調整され、読み取り率に明らかな低下がない |
| 連続運転 | 通電して8時間連続運転した後に測定 | 冷間時の状態と比べて明らかな低下がない |
この五項目を測定すれば、「試装は良好、量産で不良」というリスクを事前に表面化できます。測定時はコードサンプル、距離、ライン速度の三つを固定してください。
另外、比較用に試作機を一台残しておくことをお勧めします。後続のロットが入荷した際に同じ方法でもう一度測定すれば、ロット間の差がすぐに分かります。
三つの実際の失敗事例
事例一:装置を設置し、プログラムを調整し、検収も通過したが、量産出荷から三か月後に散発的な読み取り不良の苦情が出始めました。分解して確認すると、補光灯のフレキシブルケーブルが組立時に挟まれて接触不良を起こしていました。問題は装置自体ではなく、組立工程にあります。こうした問題は、出荷前の一台ずつの点灯テストでしか防げません。
事例二:お客様がRS232機器をPLCの通信ポートへ直接接続し、通電しても通信できませんでした。故障と考えて二台続けて交換されましたが、実際はプロトコルとレベルの不一致でした。こうした問題は、選定段階で「PLCは何型番で、どのプロトコルか」と一言確認すれば避けられます。
事例三:金属構造部品を手がけるお客様で、ワークがヘアライン面であり、レーザー刻印コードを読むと面全体が反射して読み取り率が上がりませんでした。最終的に光源を低角度に変え、偏光板を追加し、構造に遮光フードを加えて解決しました。こうした問題は汎用光源でパラメータをどう調整しても効果がなく、光学と構造に手を入れる必要があります。
三つの場面に共通するのは、いずれも装置が「壊れた」のではなく、選定や設置の段階で制約条件を一つ見落としていたことです。制約条件を事前に確認しておく方が、後から交換するより効果的です。
開発・製造主な機能
構造、光学調整、デコードプログラムを自社体制で完結しており、提案内の各パラメータは実測値と出荷検査記録まで追跡できます。



よくあるご質問 FAQ
以下のご質問は、工場の設備部門、倉庫物流、システムインテグレータから実際に寄せられた内容です。回答はそのまま選定の根拠としてご利用いただけます。
移動によるぶれの問題を事前に発見する方法
シャッター方式を確認し、現場で実際のライン速度で試してください。ローリングシャッターは動く対象でコードが斜めに流れ、グローバルシャッターでは流れません。サンプルが届いたら実際のタクトで走らせ、静止状態で判断しないでください。
金属の反射で読めない場合、装置の問題ですか。
多くは光源角度と偏光の問題で、装置自体の性能ではありません。コードサンプルと現場の照明写真をメーカーへ渡し、照射角度と偏光の案を出してもらえば、通常は解決します。
試装では良好だったのに、量産後に読み取り率が落ちるのはなぜですか。
サンプルは選別されたものです。量産ではロット間の一致性が問われます。抜き取り比率、一台ずつの読み取りテストの有無、サンプル保管の有無を確認し、契約に不具合判定と交換条項を明記してください。
ブラケットの角度は重要ですか。
重要です。垂直設置と傾斜設置では読み取り可能な範囲が異なり、角度が合わないと「正対すれば読めるが少し傾くと読めない」状態になります。ワークはコンベヤ上でわずかに跳ねるため、ブラケットの剛性不足でも読み取り率が落ちます。